楓葉千枝復万枝
楓葉(ふうよう)千枝(せんし) 復(ま)た万枝(ばんし)
 
(見渡せば)
幾重にも重なった楓の枝葉が、
 
 
 
江橋掩映暮帆遅
江橋(こうきょう)に掩映(えんえい)して 暮帆(ぼはん)遅し
 
江橋を覆い、水面にも映りこんでいます。
 
もう夕暮れ時、
(貴方を乗せた)舟はまだ戻ってきません。
 
 
 
憶君心似西江水
君を憶(おも)えば 心は西江(せいこう)の水に似たり
 
貴方を想う(私の)心は、
まるでこの西江の水のようです。
 
 
 
日夜東流無歇時
日夜 東に流れて歇(や)む時無し
 
昼も夜も東に流れて
とどまることはないのですから。
 
 
 
 
 
 
“きょうは帰ってきてくれますか
 
 
貴方が戻るのを
 
 
私はずっと待っています”
 
 
 
 
 
「江陵愁望有寄」江陵の愁望 寄する有り
 
と題された晩唐の女流詩人、
魚玄機(ぎょげんき/843-868)の七言詩です。
 
 
伎女で詩人の薛濤(せっとう/768-831)と並ぶ
唐代の二大女流詩人のひとり。
 
字は幼微(ようび)
長安の北里の娘といわれます。
 
 
大胆かつ奔放にうたいあげた愛の詩を
多く残した魚玄機。
 
最期は、
愛する男をうばったとして侍女を殺したため、
捕らえられ、、、
刑死となり一生を終えました。
 
森鴎外の小説「魚玄機」にも描かれています。
 
 
 
「西江」とは、大きな川の西方のこと。
中国では大きな川は西から東の海に向かって
流れることから、
つまり上流を指しています。
 
よって結句に出てくる「東流」とは、
上流から下流へ、東に向かって流れるさま。
 
 
 
ここで、
 
さらに一歩踏み込んで読み解けば、
 
 
西、それは、
 
“過去の想い出”を比喩していて・・・
 
 
 
出逢ったときから絶え間なく流れつづける、
 
“貴方への想い”
 
 
 
 
 
 
 
“貴方を想う気持ちは
 
とどまることを知らないこの川の流れのように
 
片時も脳裏から離れません
 
 
橋を隠すほどの楓は
 
まさしく
 
 
募る私の恋心 
 
 
 
どうしてこれほど苦しいのでしょう・・・”
 
 
  
 
 
暮れゆく秋に重ねた待ちきれぬ想い
 
燃えるような紅い葉は
 
熱い熱い心の炎
 
          
 
 
華やかであればあるほど、
 
訪れる寂しさは耐え難く。
 
 
それを予感させているかのようで・・・
 
 
 
だからいっそう、
 
 
この詩の情景が、
 
愛おしく、
 
美しく思えるのでしょうか。
 
 
 
 
想えば想うほど切なさが増すのは、
 
 
それは
 
愛という名の“恋”だから?
 
 
 
 

 
辛丑 小雪前四日  
KANAME

 
 
 
 
楓葉千枝復万枝
楓葉(ふうよう)千枝(せんし) 復(ま)た万枝(ばんし)
 
(見渡せば)
幾重にも重なった楓の枝葉が、
 
 
 
江橋掩映暮帆遅
江橋(こうきょう)に掩映(えんえい)して 暮帆(ぼはん)遅し
 
江橋を覆い、水面にも映りこんでいます。
 
もう夕暮れ時、
(貴方を乗せた)舟はまだ戻ってきません。
 
 
 
憶君心似西江水
君を憶(おも)えば 心は西江(せいこう)の水に似たり
 
貴方を想う(私の)心は、
まるでこの西江の水のようです。
 
 
 
日夜東流無歇時
日夜 東に流れて歇(や)む時無し
 
昼も夜も東に流れて
とどまることはないのですから。
 
 
 
 
“きょうは帰ってきてくれますか
 
 
貴方が戻るのを
 
 
私はずっと待っています”
 
 
 
 
 
「江陵愁望有寄」 江陵の愁望 寄する有り
 
と題された晩唐の女流詩人、
魚玄機(ぎょげんき/843-868)の七言詩です。
 
 
伎女で詩人の薛濤(せっとう/768-831)と並ぶ
唐代の二大女流詩人のひとり。
 
字は幼微(ようび)
長安の北里の娘といわれます。
 
 
大胆かつ奔放にうたいあげた愛の詩を
多く残した魚玄機。
 
最期は、
愛する男をうばったとして侍女を殺したため、
捕らえられ、、、
刑死となり一生を終えました。
 
森鴎外の小説「魚玄機」にも描かれています。
 
 
 
「西江」とは、大きな川の西方のこと。
中国では大きな川は西から東の海に向かって
流れることから、
つまり上流を指しています。
 
よって結句に出てくる「東流」とは、
上流から下流へ、東に向かって流れるさま。
 
 
 
ここで、
 
さらに一歩踏み込んで読み解けば、
 
 
西、それは、
 
“過去の想い出”を比喩していて・・・
 
 
 
出逢ったときから絶え間なく流れつづける、
 
“貴方への想い”
 
 
 
 
 
“貴方を想う気持ちは
 
とどまることを知らないこの川の流れのように
 
片時も脳裏から離れません
 
 
橋を隠すほどの楓は
 
まさしく
 
 
募る私の恋心 
 
 
 
どうしてこれほど苦しいのでしょう・・・”
 
 
  
 
 
暮れゆく秋に重ねた待ちきれぬ想い
 
燃えるような紅い葉は
 
熱い熱い心の炎
 
          
 
 
華やかであればあるほど、
 
訪れる寂しさは耐え難く。
 
 
それを予感させているかのようで・・・
 
 
 
だからいっそう、
 
 
この詩の情景が、
 
愛おしく、
 
美しく思えるのでしょうか。
 
                                                      
 
                                                                   
想えば想うほど切なさが増すのは、
 
 
それは
 
愛という名の“恋”だから?
 
 
 

 
辛丑 小雪前四日  
KANAME